2020_03_24(火) 07:47

大きな決断!がん遺伝子パネル検査【がん患者と娘、家族の歩み】

記事投稿: ラッキークローバー

2020_03_24(火) 07:47

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記事投稿: ラッキークローバー

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2019年11月、父がすい臓がんのため、70歳で亡くなりました。

告知を受けてから1年と少しの闘病生活でしたが、父はもちろん、そばで支える家族にとっても苦しく、また様々な思いを経験した1年でした。

その中で、たくさんの治療法やその副作用、また費用や入院期間など、これまでドラマの中でしか知らなかったことや、勘違いしていたことが多くあったことに気が付きました。

それらを、テーマに沿って、実体験を基に、分かりやすく皆さんにお伝え出来ればいいなあと思い、書くことを決めました。

ただ、これはあくまでも父の場合です。

がんの種類や進行度合い、年齢など、個人差によるものも大きいですし、医療機関によっては取り扱っていないものもありますことをご理解ください。

★目次★

がん遺伝子パネル検査とは?

PET検査により、肝臓への転移が発覚した父でしたが、そのおかげで肝臓から病変を採取することに成功。

新たな治療法への希望が見え、がん発覚以降、初めての嬉しい結果に、私たちは束の間の喜びを味わいました。

ここで、父は大きな決断をします。

それは、「遺伝子検査を受ける」ということでした。

正しくは、「がん遺伝子パネル検査」と言います。

普段、あまり聞かない言葉だと思いますが、「名前からして何となく凄い検査っぽいぞ・・・!」という印象を受けますね。

「がん遺伝子パネル検査」とは、がん細胞に起きている遺伝子の変化を調べ、がんの特徴に適した治療法を検討する検査のことです。

遺伝子の変化にどのような意味があるのか、日々の研究によりたくさんのことが分かってきています。

この検査で、がんにおける数十個から数百個の遺伝子を一度に調べることができ、結果は、得られた検査データのみで判定されるのではなく、「エキスパートパネル」と呼ばれる様々な
分野の専門家によって議論され、その人に適した治療法が検討されるのです。

今回は、この「がん遺伝子パネル検査」について、私と父の思いと共に、書いていきたいと思います。

残された可能性を信じて

まず、どうして私たちがこの検査を知ったか、というところからお話したいと思います。

「抗がん剤治療」と「放射線治療」、共に思うような効果を得られず、また「免疫療法」も受けないと決めた父。

もう他に何か治療法は無いのか、私と妹はいろんな人に聞いたり、ネットや本で調べたり、ありとあらゆる手段を考えました。

(このときまでにも、すい臓がんに効くという高額なサプリメントを2種類飲んでいますし、がん封じで有名なお寺で祈祷もしてもらっていました。)

主治医には、「治験」の紹介をしてもらえないかと申し出ました。

「治験」という言葉も、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんので、説明しておきます。

新しい薬が医療の現場で多くの患者さんに使えるようになるためには、事前に十分な効き目と副作用を確かめることが必要です。

この「薬の候補」の有効性と安全性を確認し、国に薬として認めてもらうための、人を対象とした臨床試験のことを「治験」と言います。

今はまだ認められていない薬でも、父には効くかもしれません。

実験台のようで怖がる人もいると思いますが、そんなことを言っている猶予は、この頃の父にはもうありませんでした。

このとき、「治験」はないけれど、「遺伝子検査」というものがあると聞き、すぐに「遺伝子外来」の受診予約を取ってもらったのです。

「遺伝子外来」では、「がん遺伝子パネル検査」についての詳しい説明を聞きました。

現実問題として、この検査を受けても、有効な治療法が見つかる割合は、わずか1~2割。

その中でも、実際に治療を受けられた人は、約1割しかいないんだそうです。

有効とされる薬が見つかったとしても、海外でしか取り扱っていなかったり、また、検査結果が出るまでに約4週間かかるため、その頃にはもう患者さんの体力が残っていなかったり・・・。

費用面でも、保険がきかないため、全額負担になります。(種類によって金額が違いますが、当時は約60万円のものと約100万円のものがありました。)

説明を聞けば聞くほど、様々な面で厳しいということだけはよく分かりました。

けれど、父は検査を受けることを決めました。

これが父にとって、最後の可能性であると、私たちも分かっていました。

肝臓から採取した病変は、「遺伝子検査」に送る分も確保してもらいました。(しかし実際には、父が選んだ検査には必要なかったのですが・・・、それはまた別のお話;;)

そうして、9月4日、無事アメリカに送ってもらい、10月7日に結果を聞きに行くことになりました。

私の思い、父の思い

このときの私は、検査の結果が出るまでの1ヶ月間、希望を持って生きていけることに感謝していました。

正直、いい結果が出る可能性は限りなく低く、また父の体力を考えても、10月7日までどれだけの状態を保っていられるかは、本当に分かりませんでした。

でも、父に、まだやれることがあるという感謝。

そして私が父に、まだしてあげられることがあるという感謝。

結果が出るまでの1か月間、たとえわずかでも希望を持って生きられるなら、私は精一杯父と一緒に、希望と共に生きると、心に固く決めたのでした。

また、この頃父は、「○○(←私)が(病院に)来ると言った日は、来させよう。」と、母に伝えていたのだそうです。

これまでは、私が病院の送迎をすると言っても、実家に様子を見に行くと言っても、「まだ大丈夫だから心配いらない。」と、毎回のように断っていた父が、です。

理由は、私が後悔しないように・・・。

私は県外に住んでいるため、病院まで行くのに片道2時間かかります。

日帰りするときは、1日往復4時間の運転。

山越えするので、いつも父は私が無事家に着くまで心配し、極力病院にも来なくていいと言っていました。

しかし、自分の状態を客観的に見たとき、自分がいなくなった後で、私がもっと父にこうしてあげたら良かったと後悔しないように、会いに来ると言ったときは好きにさせようと、私のことを思ってそう言ってくれたのでした。

この事実を知ったとき、私は父の深い愛情と優しさに、涙が止まりませんでした。

日々、重くなっていく身体と心に向き合いながら、本当ならもっと自分のやりたいことやわがままがたくさん出てくるはずなのに、こんな状況でも自分のことより、自分がいなくなった後の私の気持ちを考えてくれる父・・・。

どんなときでも、こんな状況になった今でも、昔と変わらず、ずっと父に愛され、守られている。

心から、そう実感することができました。

強くて優しい私の大好きな父は、病気になっても、たとえこの世からいなくなったとしても、きっと何も変わらず、ずっとずっと深い愛情で包んでくれる存在であることを痛感したのでした。



遺伝子検査の結果

遺伝子検査の結果が出る10月7日。

この日、父は病院のベッドにいました。

9月16日から原因不明の熱が出て、9月18日に入院していたからです。

前回の記事に書いた「尿管結石」の治療の、ステント交換を終えた後だったので、それが発熱の原因かもしれないと言われ、もう一度ステントを入れ直す処置を受けました。

腎臓も少し腫れていたので、入れ直してもらう処置は必要だったのだろうとは思うのですが、肝心の熱は一向に下がりませんでした。

その後も、原因となる可能性を探しながら、ひとつずつ潰していくしかないと言われ、様々な検査や処置をしてもらいました。

結局、直接的な原因ははっきりしないままでしたが、少しずつ熱も下がり、だいぶ落ち着いたので、9月25日に退院が決まりました。

しかし、前日に突然、今度は足に力が入らなくなり、支え無しでは歩けなくなってしまいました。

到底、退院できるような状態には見えませんでしたが、父も主治医も、入院生活で足の筋力が落ちてしまったことが原因なので、自宅で少しずつ身体を動かすことで改善されるだろうと言いました。

母が退院の手続き中、父と待合室でいたのですが、わずかなこの間にも容態が急変し、看護師さんを呼んで処置室に運ばれる事態となってしまいました。

こんな状態で退院しても、自宅に帰って母ひとりで父のお世話なんて、到底できるはずありません。

何より、父の病状からしても、入院していた方が絶対にいいはずです。

私は、退院することに大きな不安を感じ、主治医にも強い口調で状態を説明しましたが、父にきつく咎められ、結局退院することになってしまいました。

・・・が、やはり状態は一晩で悪化し、翌日にはまた緊急入院となってしまったのです。

そして迎えた10月7日。

あれだけ希望を託した「遺伝子検査」でしたが、結果は、何の治療法も薬も見つかりませんでした。

けれど、もうこの頃には、たとえ新しい治療法が見つかっていたとしても、その治療に父の体力がもつとは思えない状況まできていたので、あまり意味はありませんでした。

検査結果を聞いて絶望する、という流れは、もはや、お約束のようでさえありました。

私たちにはもう、傷つく力さえ残ってはいませんでした。

【がん患者と娘、家族の歩みシリーズ】

1. 健診で

2. 抗がん剤治療     

3. 放射線治療   

4. 医療用麻薬の使用について

5. がん患者のための相談機関について

6. 第4の治療法「免疫療法」

7. 転移!?結石!?受けられなかったステント抜去

オハナスタイル公式ライター : ラッキークローバー

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