2020_03_17(火) 06:43

転移!? 結石!? 苦しむ父の背から学んだこと【がん患者と娘 家族の歩み】

記事投稿: ラッキークローバー

2020_03_17(火) 06:43

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記事投稿: ラッキークローバー

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2019年11月、父がすい臓がんのため、70歳で亡くなりました。

告知を受けてから1年と少しの闘病生活でしたが、父はもちろん、そばで支える家族にとっても苦しく、また様々な思いを経験した1年でした。

その中で、たくさんの治療法やその副作用、また費用や入院期間など、これまでドラマの中でしか知らなかったことや、勘違いしていたことが多くあったことに気が付きました。

それらを、テーマに沿って、実体験を基に、分かりやすく皆さんにお伝え出来ればいいなあと思い、書くことを決めました。

ただ、これはあくまでも父の場合です。

がんの種類や進行度合い、年齢など、個人差によるものも大きいですし、医療機関によっては取り扱っていないものもありますことをご理解ください。

★目次★

PET検査とその結果

免疫療法はせず、大学病院で抗がん剤治療を続けると決めた父。

6月14日には、担当医の勧めで、PET検査を受けました。

PET検査という言葉は、私はなんとなく聞いたことがありましたが、詳しいことはよく知りませんでした。

最近、テレビや雑誌で、「早期がんを発見するための最先端のがん検診」など、紹介されているようですが、実際には、主にがんの転移を含めたがん病巣の広がりや、がんの再発を見るために行われる検査です。

がん細胞は、ブドウ糖を栄養素として成長するため、通常の細胞と比較して約3~10倍ものブドウ糖を消費するといわれています。

PET検査は、その性質を利用して、ブドウ糖に放射能を出す成分を組み込んだものを体内に注射することにより、その注射された放射性物質がどのくらいがん細胞に集まっているかを数値化して、それを画像として表現する検査なのです。

父は、放射線治療を受けた段階では、「転移はない」という診断でした。

しかし、治療の効果はほとんど得られないまま、時間だけが過ぎていっている状況だったので、私たち家族も転移の疑いを持っていました。

ですので、すぐにPET検査を受けるようお願いしました。

結果は・・・、肝臓への転移が見つかりました。

それだけではありません。

首の骨にも2箇所、転移が見つかりました。

このときのショックと悲しみは、言葉にできないほど大きくて、今でも思い出すと涙が流れます・・・。

父の身体に棲みついた目には見えない悪魔が、だんだんと、しかし確実に父の身体を蝕んでいく恐怖。

父はこの結果を、どんな思いで受け止めていたのか・・・、想像するだけでも胸が引き裂かれる思いです。

今度こそ!2度目の生検

しかし、私たちにはまだ希望が残っていました。

それは、「生検」です!

生検については、以前の記事にも書きました。抗がん剤治療ってどんなもの?!②参照

父のすい臓にあるがんは、太い血管が絡みついていて針を刺すことができず、結果的に病変を採取することができませんでした。

しかし、転移した肝臓からがん組織を採取することが出来れば・・・!!

父にとって、最適な治療法を見つけることが可能になるかもしれません!

すい臓から病変を取ることが出来なかった私たちにとって、それは大きな希望の光でした。

転移を悪いことと捉えず、転移のおかげで詳しい検査が受けられると思うことで、当時の私たちは、絶望を希望と喜びに変えたのです。

もちろん、転移の恐怖や不安が全て消え去ったわけではありません。

ですが、そう前向きに捉えることで、なんとか心のバランスを保っていたんだと、今となっては思います。

誰もが不安を抱えながらも、それを口にすることが怖くて、かすかな希望を手繰り寄せようと必死だったのだと思います。

父は、8月21日から4度目の入院(5日間)をし、無事に肝臓から病変を採取することが出来ました。

検査当日は、母と一緒に私も付き添ったのですが、1回目の生検のときのことを思い出していました。

母から「取れなかった」と一言ラインをもらい、絶望感に打ちひしがれたあのときのことです。

私は、うつろな父の顔を見ながら、

「今日、ようやく採取することができて、やっとあのときの状況まで来れたんだ。ここからが本当のスタートなんだ。」

と、武者震いするような思いで病室にいたことをよく覚えています。

しかし、そんな思いと共に、

「あの時、採取できていれば・・・。」

という悔しさも同時に溢れていました。

1回目の生検からは、すでにもう8ヶ月以上もの時間が経っていました。

苦しんだ尿管結石

ここで、がんとは直接関係がないのですが、実は父は生検を受ける前に3度目の入院をしています。

生検の入院が4度目となっているのは、そのためです。

6月上旬。

放射線治療後、通院で抗がん剤治療を続けていたときのことでした。

激しい腹痛に襲われ、痛みで食事もとれず、夜も眠れなくなり、病院へ行ったところ、「尿管結石」と診断されました。

以前、「尿管結石」について少し触れましたが健診にも落とし穴!?見逃さないで身体のサイン参照、父は元々結石が出来やすい体質のようで、これまでにも診断されたことがありました。

しかし、今回は痛みも尿管の腫れもひどく、脱水症状と貧血もあり、即入院。

尿路にステントというチューブを入れる処置を受けました。

ステントを入れることによって、尿管の拡張をサポートし、尿の通りをよくしたり、結石片が体外に排出するのを助けるなどの効果が得られるのです。

また、発熱などの尿道感染や結石の痛みを取る役割もあります。

実は、放射線治療で入院中にも血尿が出て、「尿管結石」と診断され、すでに治療も終えていました。

このときは、結石のサイズがそれほど大きくなかったこともあり、飲み薬で対処し、痛みも血尿も止まりました。

それなのに、またしても「尿管結石」に苦しめられることになった父・・・。

症状も、結石のサイズも、過去最悪です。

ステントを入れることで、少しずつ痛みも体力も回復しつつあった父でしたが、私は、

「どうしてこのタイミングで、何度も尿管結石になるの?!」

「ただでさえがんの痛みや不安で辛い思いをしているのに、これ以上父に痛い思いをさせないで!」

と、神様を呪いたい気持ちでいっぱいでした。

でも父には、

「痛みの原因ががんじゃなくて良かったね!結石さえ流れてくれれば楽になるからね!」

と、必ず前向きな言葉をかけるようにしていました。



受けられなかったステント抜去

ですが、さらにショックは続きます。

尿管ステントは、一時的に使用されるものなので、最終的には抜去しなければならないのですが、全身麻酔による手術になるため、体力の無い父は、その手術を受けることが出来ないと言われてしまったのです。

少しずつでも体力が戻ってきていると思っていたのに、全身麻酔に耐えられる身体ではないという現実を突きつけられ、父も私たちも動揺を隠せませんでした。

父は、一生、尿管ステントを定期的に交換していかなければならない身体になってしまった、ということです。

最初に比べると痛みは減ってきたものの、チューブを尿管にずっと入れっぱなしなわけですから、もちろん違和感はあるし、交換の度に激しい痛みを耐えなければなりません。

ただでさえ、痛い思いをたくさんしているのに、どうして次から次へとこんなことが起こるのだろうかと、本当に父がかわいそうでたまりませんでした。

また、放射線治療中に「尿管結石」の診断を受け、無事に治療も終えたはずなのに、どうしてあのタイミングでこんな大きな結石がまだあることが分からなかったのか・・・、病院に対する不信感が途端に大きく膨らみ出しました。

ぶつけようのない怒りや悲しみがたくさん湧き上がってきて、悲観的にならずにはいられない状況でした。

でも父は、そんなときでさえ

「運が悪かっただけ。」

としか言わず、病院や先生に対して一言の文句も愚痴も、最期まで言うことはありませんでした。

本当なら、1番悲しくて、怒りに震えて、何もかも嫌になってしまって当然なのに・・・。

ベッドに横たわる父の背中から、いまだにたくさんのことを学んでいると実感した出来事でした。

そんなことを乗り越え、ようやく退院したのち、上記のような流れで、PET検査(転移発覚)、生検のための入院となっていくのです。

「尿管結石」は、直接すい臓がんと関係は無いと思われますが、がんになると体力や免疫力の低下により、他の病気を引き起こしやすくなるのは事実です。

普段以上に、感染症予防に努めたり、無理をしない(=頑張り過ぎない)ことが大切だと思います。

がん患者と娘、家族の歩みシリーズ一覧

「がん患者と娘、家族の歩み」の15記事は下記のリンクから読むことができます。

1.健診にも落とし穴!?見逃さないで身体のサイン

2.抗がん剤治療ってどんなもの!?①

3.抗がん剤治療ってどんなもの!?②

4.抗がん剤治療ってどんなもの!?③

5.抗がん剤治療ってどんなもの!?④

6.抗がん剤治療ってどんなもの!?⑤

7.意外と知らない!?放射線治療①

8.意外と知らない!? 放射線治療②

9.意外と知らない!?放射線治療③

10.誤解しないで!医療用麻薬の正しい知識

11.いろいろな機関を利用しよう!患者家族の闘い

12.賛否両論!? 第4の治療法「免疫療法」

13.転移!? 結石!? 苦しむ父の背から学んだこと(本記事)

14.大きな決断!がん遺伝子パネル検査

15.終末期鎮静を経て…父との永遠の別れ

オハナスタイル公式ライター : ラッキークローバー

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