2020_02_18(火) 09:21

意外と知らない!?放射線治療③【がん患者と娘、家族の歩み】

記事投稿: ラッキークローバー

2020_02_18(火) 09:21

203

記事投稿: ラッキークローバー

203

2019年11月、父がすい臓がんのため、70歳で亡くなりました。

告知を受けてから1年と少しの闘病生活でしたが、父はもちろん、そばで支える家族にとっても苦しく、また様々な思いを経験した1年でした。

その中で、たくさんの治療法やその副作用、また費用や入院期間など、これまでドラマの中でしか知らなかったことや、勘違いしていたことが多くあったことに気が付きました。

それらを、テーマに沿って、実体験を基に、分かりやすく皆さんにお伝え出来ればいいなあと思い、書くことを決めました。

ただ、これはあくまでも父の場合です。

がんの種類や進行度合い、年齢など、個人差によるものも大きいですし、医療機関によっては取り扱っていないものもありますことをご理解ください。

★目次★

大学病院の実習生たち

放射線治療のための入院中、父にとって1番大きかった出来事。

それは、実習生のNちゃんとの出会いでした。

大学病院なので、普段からたくさんの実習生が病棟を出入りしています。

看護師さんとは着ている服の色が違うので、すぐに実習生だと分かるのです。

服の色云々の前に、なんとなく看護師さんと実習生では、雰囲気が違うので分かるのですが、入院するまでは、ただ視界にその姿が映っているだけで、直接関わりを持つことはありませんでした。

入院してからは、教授回診のときに、たくさんの先生方に混じって研修医や実習生も父の病室にやってきました。

だからと言って何かあるわけではないのですが、何となく私は父を見世物のように扱われている気がして、複雑な気持ちになっていました。

当の本人は、全く何も思っていない様子だったので、私からは特に何も言いませんでしたが・・・。

たまたまですが、私が父のお見舞いに行く日は、教授回診の日ではないことが多かったので、母からそのときの様子を聞く程度でした。

「やっぱり大学病院だからね。将来、お医者さんになるために、しっかり勉強してもらわないとね!」

そう母と話しながらも、私は複雑な思いをずっと拭いきれずにいました。

入院してしばらく経った頃、母から、父に実習生の女の子がついたと聞きました。

「え!? なんで父に!?」

と、私はびっくり!

看護師長さんが、父の担当にと、実習生の子を連れてきたと言うのです。

もちろん、断ることもできましたが、気のいい父は、二つ返事でオッケー!

その女の子が、Nちゃんでした。

実習生Nちゃんとの日々

この頃、父の容態は比較的落ち着いていました。

随分痩せてはいましたが、自分の足で歩くこともできるし、しっかり会話もできるし、パッと見だと、どこか悪いようには見えないほど。

放射線治療も、1日たった15~20分ほどで終わるし、毎日のように母がお見舞いに来るとはいえ、遠いので長時間居られない日もあり、空いた時間を持て余していたんです。

そんな状況の父の前に、突如現れたNちゃん!

元々は、とっても気安くてお話好きな父なので、Nちゃんと仲良くなるのにそう時間はかからなかったようです。

Nちゃんは、気さくに自分のことも話してはくれましたが、父の話を本当によく聞いてくれました。

あるとき、

「事故に遭ったときの写真を持ってきてくれ。」

と父に言われたことがあり、理由を尋ねると、

「Nちゃんに見せる。」

と!

実は父は、結婚式直前に大きな事故に遭い、死んでいてもおかしくないような状態から生還しました。

その事故を起こしたときの、ぐしゃぐしゃになった車の写真が実家に保管してあり、それをNちゃんに見せる約束をしたというのです。

「あんな写真、見せられても・・・、Nちゃんも困るんじゃ・・・。」と思いましたが、父の頼み事を無碍にもできず。

Nちゃんは、父の昔話(主に武勇伝!)や私たち家族の話を、いつもニコニコと穏やかな顔で聞いてくれたようです。

私も、お見舞いに行ったときに会って挨拶をしましたが、とても可愛らしくて優しい表情の女の子でした。

病気のことばかり考えて、塞ぎ込んでしまいがちの日々を、Nちゃんのおかげで、他愛ない話をして過ごす、穏やかな日々に変えることができて、本当にありがたかったです。

なかには、父の調子があまり良くない日もありました。

でも、気のいい父は、そろそろNちゃんが来る時間だからと、無理して起きようとするのです。

娘の私が言うのも何ですが、本当に人に気を遣う性格で、とにかく心の優しい父でした。

「せっかくNちゃんが来るんだから、少々無理をしてでも起きておかないと・・・。」

という父の気持ちも分からなくはないですが、そんなことをしていては、何のために治療をしているのか分かりません。

そんなときは、母からNちゃんに

「今日は少し疲れているみたいだから・・・。」

と言ってもらいました。

こちらが悪いわけでは全くないのですが、何となく、Nちゃんに悪いことをしたような気持ちになる優しい父・・・。

だからこそ、

「明日は元気にNちゃんと話ができるように、今日はゆっくり休んでおこうね!」

と伝えるようにしました。

単調になってしまいがちな入院生活でしたが、Nちゃんの存在のおかげで、父の生活に張り合いができました。

実習期間の3週間は、終わってみればあっという間!

実習生にあまりいい印象を持っていなかった私でしたが、今はNちゃんに感謝の気持ちでいっぱいです。

Nちゃんが作ってくれた、正しい手洗い方法↓

免疫力が落ちている父にとって、手洗いはとても大事ですからね!

最終日にもらったお手紙も、大切に保管しています。

外泊許可がおりた!

1ヶ月半に渡る放射線治療の入院生活中、父は3度の外泊許可をもらい、自宅に帰ることができました。

最初の外泊は、5月3日~4日。

ゴールデンウィーク真っ只中!

横浜に住んでいる妹一家(可愛い孫たちも♪)が実家に帰ってきたタイミングで、初めての外泊許可をお願いしてみたところ、体調も安定しているし、週末は病院もお休みで治療がないため、主治医の許可がおりたのです!

このときの、父の嬉しそうな様子といったら・・・!

久しぶりに自宅に帰れる喜び&久しぶりに娘や孫に会える喜び!

父にとっては、この上ないダブルの喜びだったことでしょう。

私たち家族も帰省し、本当に久しぶりの大集合となりました!

この頃、父の飲んでいた薬のひとつに、医療用麻薬があり、その管理だけはとても厳しく、飲み終えた後の薬のゴミを、確認のために病院に持ち帰らなければなりませんでした。(この医療用麻薬については、痛み止めのお話のひとつとして、改めて詳しく書こうと思っています。)

外泊中、気をつけることとして病院から強く言われていたことは、しっかり手洗いうがいをすること。

当たり前のことだと思うかもしれませんが、抗がん剤治療との併用で、常に白血球が落ちている父にとっては、普通の人なら感染しないものをもらってしまう可能性があります。

孫(小学生)との接触にも気をつけながら、少しでも疲れたら別室で休むようにしました。

また、食事に関しては、特に制限は無く、基本的には「食べられるときに、食べられるものを、できるだけ食べる」ようにしていましたが、生のものだけは治療初期の頃から控えるように言われていました。

父は、握り寿司やお刺身など、生魚が大好きだったので、本当にかわいそうでしたが、この頃にはもう味覚が少しずつおかしくなってきていたので、何を食べてもあまり変わりなかったことがある意味救いだったかもしれません。

これを機に、その翌週末、その次の週末と、合計3度の外泊ができた父。

本人はもちろんですが、母にとっても父が自宅にいることは、言葉に表せないほどの安心感があったことだと思います。



放射線治療の結果

こうして28回の放射線治療を終え、5月30日に無事退院した父。

放射線治療の副作用として言われていた、背中の方まで黒くなったり、皮膚がただれて痛くなったり、痒みが出たり・・・というようなことは一切なく、味覚障害以外はほとんど何もなく終わりました。

期待していた放射線治療の結果については、1ヶ月半後にCTを撮って確認してみましたが、がんは若干大きくなっていて、本当に大きなショックを受けました。

治療を始めて2週間くらいで痛みがマシになるとも聞いていましたが、父の場合は、さほど変化もなく・・・。

最初の説明で、

「8割の人には何かしらの効果がある。」

と聞いていたので、

「残りの2割に入ったのか・・・。」

と愕然としました。

その後、長期間に渡り味覚障害に苦しんだので、

「放射線治療に意味はあったのだろうか?」

と、否定的に捉えてしまったときもありました。

退院した頃には、元の体重と比べると、15キロ以上も痩せてしまっていた父。

スポーツマンで、筋肉隆々な体が自慢の父だっただけに、痩せ細ってしまった腕や脚を見てため息をつく様子は、見ているこちらも本当に辛かったのです。

ですが、この治療に効果がなかったかと問われたら、それは何とも答えられません。

なぜなら、もし放射線治療をしていなければ、がんはもっと大きく進行していたかもしれないからです。

放射線治療のおかげで、若干大きくなる程度で済んだかもしれないのです。

そう捉えることもできるし、これは、痛みについても同じことが言えます。

さほど変化がなかったということは、効果があったからこその結果だったのかもしれないからです。

期待していただけにショックも大きかった放射線治療でしたが、だからこそ、最初にしっかり説明を聞いて、納得して受けるということが大切になってきます。

思っていたような効果は得られませんでしたが、父も私たち家族も、納得して受けた治療なので後悔はありません。

どの治療も同じですが、どんな結果も受け入れる覚悟が必要だと痛感した放射線治療でした。

<前回の記事はこちら>

意外と知らない!? 放射線治療②

オハナスタイル公式ライター : ラッキークローバー

タイアップ

関連記事

オハナかくれんぼ オハナかくれんぼ オハナかくれんぼ

新着記事

オハナかくれんぼ オハナかくれんぼ オハナかくれんぼ
オハナかくれんぼ オハナかくれんぼ オハナかくれんぼ

アクセスランキング

  • 週間
  • 月間
  • 年間

お得なプレゼントの案内や家族に関する記事を受け取ろう!


おすすめコンテンツ

次へ
前へ